36.濃い夫
洗眼する為の商品(ア○ボンみたいなもの)を買ったところ
いそいそと一番最初に使おうとし始めた夫。
私が自分で使う為に買ってきたというのに。
やはり新しい物には目が無いらしい。相変わらずである。
しかし私も新しい物を最初に試すのも何なので
夫に実験台になって貰う事にした。頑張れ夫。
容器に液体を入れ、説明書通りに洗眼し始めた夫。
「ぐはっ」という声と共に目の辺りから液体が漏れ始めている。
「あれー?何で漏れるんだろ?」と言いつつ反対側の目へ。
同じように「うわわわわ」という声と共に液体は漏れる。
私がやってみると容器はぴたりと密着し、液漏れは無い。
そこで判明した事実。『夫の顔の彫りが深すぎる』
日本人特有の彫りの薄さに合わせて作られた容器では
夫の顔にはフィットしないらしい。
さすがは「平○賢に似てる」と言われた濃い顔の夫。
「うーん、目はすっきりするけどねぇ」と言いながら
液漏れをする事に不満を示し、それ以後洗眼する様子は無い。
タオルを当てるという考えは持たないらしい。
外国人用が出たら買って来てあげようと思う。 |
37.オバちゃんな夫
寒くなると、ちゃんちゃんこのような上着を着始める夫。
見た目はあまりよろしくないのだが
とにかく暖かいので、長年愛用中。
夫が見た目を気にしていない為、買い替え予定もない。
その上着を着ている夫を後ろから見ると
「何年浪人してんだお前と言いたくなるような浪人生」だ。
『必勝』と書かれたハチマキをすればパーフェクトなのにといつも思う。
しかしその上着を私が着るとなると話は別だ。
家事をする時、邪魔になるので自分の上着を脱いでいると
「寒いでしょー?これを着ておきなさいっ」と
浪人生上着を持ってくる夫。
「邪魔になるし、動いてたら寒くないよ」と何度言っても
風邪を引くといけないから、と浪人生上着を着せようとする。
正直、見た目がよろしくないから着たくないのだが
夫が愛用している為そうも言えない。
「着ないと風邪引くよ!」と私を追いかけてくる夫は
まるで「寒いからこれ着なさい」とヤバい服を持って迫る親戚のオバちゃんだ。
悪気もなく親切心で言ってくれているだけにタチが悪い。
寒い季節中、この追いかけっこは続くのである。 |
38.動かない夫
仕事から帰ると、ほぼPCの前で一日を過ごしている夫。
タバコの灰が落ちようが抜け毛が落ちようが掃除はしない。
私が掃除をする時は、問答無用で夫が座ったままの椅子を動かし
周辺のゴミを掃除機で吸い取るのだ。
日曜日にゴロゴロしていて奥さんに「邪魔よ!」と掃除機で突付かれる
どこかのご主人の姿がここには毎日ある。
毎回掃除をする時はそんなパターンなので
必然的に掃除をしにくい場所が出てくるのだが
その場所はもちろん埃が溜まりっぱなしの状態だ。
夫がいない間に掃除すればいいと思われるだろうが
私にも都合というものがある。夫がいない時間は私もいない。
埃アレルギーも無い夫は、そんな埃だらけの場所でも平気なようで
平然とPCを楽しんでいるのだ。
しかしその状態はPCには過酷だったようで
遂には壊れてしまった。原因はPC内部に溜まった埃。
夫よりも繊細なPC。PCよりも鈍感な夫。
「(PCを)開けてみたら、埃が凄かったよー」と
まるで私が掃除をしなかったから埃が溜まったと言いたげな夫。
まずは掃除の時にPCの前から動く事から初めてみろと言いたい。
そもそも自分で掃除しろ。 |
39.出掛けたい夫
休みの日に突然「どこかに出掛けようか」と言い出す夫。
毎回その「どこか」を決めるのは私。
大抵はショッピングモールに行く事になるのだが
行った後は「○時間出掛けただけなのに、△円も使った」だの
「俺が見たいのが無かった」だのグダグダ言うのだ。
文句を言うぐらいなら行き先を自分で決めろよ夫。
たまに行き先を言ったかと思えば
「○○(県外。軽く2,3時間掛かる)にご飯食べ行く?」
「△△(これまた県外。行った事が無い場所)行ってみたいなー」
と、到底実現しようの無い意見を述べる夫。行く訳がない。
当然その意見は却下され、私の行きたい所に行く事になる。
そしてグダグダ言う・・・の繰り返しをして早8年。
もういい加減に気付いてもいいと思うのだが、気付かない。
果たして夫が本当に行きたい場所はどこなのか。
もう私もいい加減気付いてもいいと思うが、まだしばらくは無理そうだ。 |
40.クルクルクルーな夫
仕事中、突出した物で肩をぶつけた夫。
その突出した物とは、貨物トラックの後ろなどによく付いている
ドアを閉める為の取っ手の部分。
それを説明するのに数分掛かった夫。
「ほらトラックの後ろにさー、あるじゃん?
こうガチャンって閉める時にこっちにこう倒してガチンってやるやつ」
この説明で分かる訳がないだろう。擬音だらけだ。
数分聞いて理解した私を褒めて貰いたい。
このように、夫はよく擬音を使って説明するのだが
最も多く登場する擬音は「クルクルクルー」である。
何かが回転している様子を表すこの擬音だが
どうしてだか夫の話にはよく出てくるのだ。
そんなに夫の周囲には回っている物が多いのだろうか。
しかも「クルクルクルー」と言っている夫の顔は
それはそれは楽しそうにしていて、腕を一生懸命回しながら
『これだけ早く回ってたんだよ』というのをアピールする。
「ブワーってこんな感じでクルクルクルーってなってた!」
意味は分からないが、夫が楽しそうなので良しとしよう。
そんな夫も既に28歳。そろそろ「クルクルクルー」はやめさせた方がいいだろうか。 |